日本で最初にオリーブを食べたの誰?

日本におけるオリーブオイルの歴史は世界的に見るとまだまだ浅く、これからさらに活用できる幅は広がるだろうと見られています。日本人の食卓にオリーブオイルがのぼるようになったのはなぜでしょうか。和食との相性はよいのでしょうか。

日本人で初めてオリーブを食べたのは豊臣秀吉

文禄年間(安土桃山時代)、ポルトガルからやってきたフランシスコ派の宣教師たちが、時の権力者豊臣秀吉への手土産として渡したものの中に、スペイン国王から贈られたオリーブの実1樽とオリーブオイルがありました。ですから、日本人で初めてオリーブの実を食べたのは豊臣秀吉だったのです。豊臣秀吉は食に対して好奇心旺盛で、虎の干し肉や焼き蛸など珍しいものを好んで食べたそうです。オリーブの実も珍しいもの好きの秀吉の好みにあったのかもしれません。残念ながら江戸時代に入って鎖国が始まり、江戸時代後期に神戸の植物試験所で実験的にオリーブの木が栽培されるものの、日本人がオリーブを食べる機会はありませんでした。

日本で始まるオリーブ栽培

明治41年、日露戦争に勝利した政府は北方漁場で豊富に獲れるイワシを加工し、オイルサーディンを作るためにオリーブの木の栽培を推奨します。香川、三重、鹿児島の3カ所で栽培を始めましたが、地中海沿岸と気候が似ていた香川県小豆島のみ栽培に成功しました。明治43(1910)年に初めての収穫を迎え、日本初のオリーブオイルが搾油されました。小豆島でのオリーブオイル作りは決して順調ではなく、その後も台風や害虫に悩まされました。オリーブオイルを加工する技術も一から学ぶ必要がありました。農家や技師たちのたゆまぬ研究と努力によって、現在、日本産オリーブオイルの90%以上が小豆島で生産されています。オリーブオイルの他に、美容オイルやジャム、オリーブの葉を使ったサプリメントなどさまざまな商品が製造されています。安土桃山時代に日本へ渡ってきたオリーブが、現在は瀬戸内海に浮かぶ小さな島の名物となっているのです。

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