6000年も前から食用に使われたと言われているオリーブオイルですが、その製造方法ははるか昔からあまり変わりません。伝統的な製法で作られたオリーブオイルは栄養価が高く、健康にも美容にもよい万能オイルです。
オリーブの実の収穫方法
オリーブオイル作りは果実の収穫から始まります。収穫期は11~1月です。機械で木をゆすって収穫する方法もありますが、良質なオリーブオイル作りには手摘みが一番です。木の下に大きなネットを広げ、熊手のような道具を使って、実をバラバラと落としていきます。地方によっては棒で枝を叩いたり、手で枝からもぐこともあるようです。オリーブの葉は意外と鋭利なので、手摘みは大変です。最後に、ネットに落ちた実をカゴに集めます。枝や葉を取り除き、収穫したオリーブの実を水洗いします。きれいになったら、いよいよ搾油です。
バージンオイルの作り方
昔からあるオリーブオイルの製造方法は、圧搾法です。石臼で実をすりつぶしてペーストにし、圧力をかけて果汁を搾ります。分離槽に入れられた果汁は、自然に油分と水分に分かれます。上澄みの油の部分をすくい、フィルターでろ過(フィルタリング)すれば、エクストラバージンオイルの完成です。本場イタリアでは、フィルタリングしない未ろ過のオイルも好まれます。
昔ながらの伝統的な圧搾法では労力と時間がかかります。そこで、現在は遠心分離機などを使ってオリーブオイルを製造します。遠心分離機を使えば、空気に触れることなく、クリーンな方法でオイルがとれます。酸化を防げるうえ、効率が良いのがメリットですが、昔ながらの圧搾法に比べると風味や栄養価では劣ります。
ピュアオイルの作り方
オリーブの実を搾って作るエクストラバージンの他に、日本ではピュアオリーブオイルと呼ばれる種類のオイルがあります。酸度が高いオリーブオイルを加工して酸度を低くし、そこにバージンオイルをブレンドしたものがピュアオイルです。バージンオイルと比べると、味や香りがまろやかです。