オリーブオイルは保存食作りにも向いています。フランスではオイル漬けはコンフィールと呼ばれ、家庭で作る保存食であり、常備菜です。おつまみや副菜になるだけでなく、ひと手間加えておもてなし料理にも、災害の際の非常食にもなります。
オイル漬けにすると保存がきくのはなぜ?
食品が腐敗するおもな原因は、空気中にいる細菌です。細菌が食品につくと栄養を得てどんどん増殖し、食品を分解します。食品を食べて栄養をたっぷりとった細菌は、排泄物を出します。すると、食品は味が悪くなって嫌な臭いがし、ネバついたり糸を引いたりします。これが「腐る」ということです。つまり、食材を長持ちさせたければ空気に触れさせなければよいのです。オイル漬けにすれば食材の周りはオイルでコーティングされ、空気に触れません。だから、食材が長持ちします。オイル漬けは保存がきくだけでなく、オリーブオイルの旨みや香りが加わるので、美味しく風味豊かになります。
オリーブオイルと合うのはどんな食材?オイル漬けを作るポイントは?
肉、魚、野菜はもちろん、チーズやキノコ類などもオリーブオイルとの相性抜群です。特に材料を用意する必要もありません。たとえば、晩御飯のお刺身が残ったら、塩をふって10~15分くらい置いて水気を出し、水分をふき取ったらボウルにお刺身とハーブ(ローズマリーやバジルなどお好きなもの)を入れ、小鍋で熱したオリーブオイルを注ぎます。熱いうちにオイルも一緒に瓶に入れて、冷蔵庫に入れれば2、3日持ちます。野菜やキノコなどのオイル漬けは半年から1年くらいもつので、災害時の非常食にもなります。
美味しく長持ちするオイル漬けを作るポイントは、保存に使う瓶を必ず煮沸消毒すること、食材が傷む原因となる空気と水気を保存容器に入れないこと、オイルで食材を完全に浸すことです。エクストラバージンオイルを使えば、オイルまで美味しくいただけます。食材を食べた後に残ったオイルは、炒め物やパスタなどに使いましょう。